脳の情報検索

Google とMS検索とを比較した場合(YahooのエンジンはGoogleを採用している)、
Googleのほうが、より直感的な回答を出してくれる、これは、
GooglePageRANKという検索エンジンを元にしたもの(正確には発表されていないので、
細かいところは不明)を使っているからだ。

これは、利用者が入力したHPに含まれる単語を統計解析し、ベイズ推定に基づいて
パターンを確率的に処理しているから、人間(というか集団)の行動をおおざっぱに
シミュレートしたものになっている。 民主主義の多数決のようなものだ。

賢いのは、このデータベースは、確率なので人々がクリックすればするほど賢くなる、
という点である。

さて、脳はいったいどのように情報検索をしているだろうか?

検索というと、システム用語らしいが、認知科学においては、記憶の探索(検索)とか
連想とか、想起などといわれる。

たとえば、「赤いりんご」といった場合、赤から、いろいろな色の中の
主観的赤色が連想される。 これは、クオリアをもちだすまでもなく、
主観的色であり、どうも側頭葉で処理されているらしい。
(これと主観がどこでどのように処理されているか、は独立の問題)

その際、赤いほっぺとか、赤い信号とか、赤い太陽とか、赤い国旗とか、
いろいろな赤が同時に想起される。

このとき、この主観的赤をどのように、脳が表現しているか、それは
ある「認知空間」を構成し、そのなかの「主観的色空間」を定義する
必要があるだろう。(このような表現をするときには、これは仮説なので
実験的に確証しないといけない)

単純に色がどのように見えるか、という実験では、色空間は2次元的に
おおざっぱに表現できる。

しかしながら、主観的色空間が、2次元的に表現できるとは限らない。
主観、という以上、あるバイアスがかかったり、ある場所(色)には
重みがかかったりして、線形の表現では表現仕切れない場合があるだろう。

主観的な空間が、どのような空間表現で実現されるか、これは大変おもしろい
話題である。一度この空間を表現できたら、そこから、2つ以上の
アイテムの距離を定義できる(これにもさまざまな方法がある)
ので、それをつかった連想の方法というのが、いくつか編み出されるはず
である。


もちろん、主観が時々刻々変化する以上、こういった主観空間もダイナミックに
変化できるような構成でなければならない。
そうして、連想のしかた、しやすさ、などから、新しい組み合わせが
でてくれば、Googleにもできない検索を脳がしている、という証拠になる。

きっとそれは、真実にちがいない。 なぜなら、僕にはGoogle検索が
完全には満足しきれないものであるからだ (わらい)