量子論の本質

量子論の本質は、エルミート性とヒルベルト内積空間を使った、自然を整数表現

(プラス1、マイナス1)したものである。整数の内積表現なので、

結果はやはり整数となり、それによってベクトル線形表現が可能になる。

ヒルベルト変換の力である。これを直接証明したのが、かのフォン・ノイマン

であった(シュレディンガーハイゼンベルクに刺激されて、連続な式を行列に

置き換える過程で、これを発見した)。


こうして量子論をベクトル行列表現にて、猛然と実現したハイゼンベルクもすごい

(こんなことは、古典的物理学ではありえなかった)が、

波と粒子を結び付けたアインシュタイン=ドブロイ、

さらに、みずからの整数表現と、波の連続的表現をつなぐために、

不確定性原理を思いつき、これによって確率と波をむすびつけたハイゼンベルク

(再度)、そして、それを数学的にベクトル演算子として、「状態」演算子をつくり、

電子と光電効果を表現したディラックの天才はやはり、すさまじい。 そこには量子論

相対化、が同時に含まれている。 これによって、真に電磁気学と(特殊)相対論が

つながり、のちの量子電磁気学の走りとなった。


つまり、波動性と粒子性を結合するのは不確定性原理であり、

これによって粒子的量子と、波動的場が統一され、粒子は場であり、

場が粒子と相互作用する、というような、場と粒子が可換な数学的表現が

可能になったわけだ。

即ち、古典的波動方程式を応用し、ボーアの量子モデルを数式化した

シュレディンガー方程式(連続)は、ハイゼンベルクの量子のベクトル表現(断続)

に対応させることが、可能になった。 

(注1: ベクトル表現と、連続ー断続の解釈が今回新しい。前回は、ここにどうしても至らなかった)


(注2 朝永先生は、ディラク方程式導出のいきさつを、彼なりの解釈(アクロバットと称している)で

記述されている。ここで、出てくるマイナス項がゆくゆく、陽電子を導く)

これが、量子論の本質である。


面白いことに、1年前にも、同じような思考をして、同じような理解を

量子電磁気学の理解として、まとめていた。 しかし、本質的な理解は今年になってさらに深まったと

信じたい。


量子力学場の理論の簡単な説明
http://d.hatena.ne.jp/yasutotanaka2000/20131004/p1


今回は、とりわけ、ヒルベルト性、エルミート性から、量子(整数)が生まれてくる、

という点に論点を絞った。 数式なしで、文章で記述するのは、曖昧性が残るが、

本質を記述する練習にはなる。

フォンノイマンによる、量子論ヒルベルト形式解釈については、次回以降。