学習意欲は数値化できるか?

脳活動から、ということだろうが、 ちょっと考えただけでは、学習意欲を客観的に数値化するのはかなり困難なのでは、という予測が立つ。学習意欲を定義し、これを構成する要素に分解しそれを組み立て、その振る舞いをモデル化し、それが現実に当てはまるかどうかを測定するのだが、いろいろなレベルで、UnkownFactorが多すぎて、客観的数値化するのに、かなりの困難が伴うと予想されるからだ。
そもそも、脳活動だって、彼らの測定する脳血流が、結果なのか過程なのか、それだって明らかでないのである。たとえばホルモン血中、と神経の中に別々にあるが、どっちがどう働くかによって、結果が全く異なる。

しかし、最初からやらずに否定してしまっては、何も始まらない。とりあえずやってみる、という彼らのやり方も、ひとつの試みであろう。そのプロセスの中で、何か別の面白い副産物が出てくる可能性は大いにある。なぜなら、方向性としては、間違っていないからだ。例えば、ここに出てくる、ほめる、というのは良い方向だ。そして、実際の授業中に
行う、というのはオリジナルである。

僕流のひとつのやりかた: たとえば、学習意欲のあがる
具体的な例を一つ見つけて、その増加ルールを見出す。それに対応した生理脳活動を測定して、対応関係を調べる)

(注)これは、いわゆる言葉だけや、カウンセリングだけの、似非脳科学と本質的に異なることに注意。実際に脳計測をしてデータに基づいて議論しているからだ。

■「脳トレ」川島教授ら、学ぶ意欲の数値化に挑戦
(読売新聞 - 02月20日 00:39)
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20100219-OYT1T01213.htm

==(一部抜粋)
脳トレ」で知られる東北大の川島隆太教授(脳科学)らの研究チームは、子供たちがやる気を感じながら勉強に打ち込める効果的な指導方法を探ろうと、仙台市教委と協力し、実証研究に乗り出す。学習中の子供たちの脳の働きを分析し、意欲の高さを数値化することで、経験頼みだった指導のノウハウを共有できるようにするのが狙いだ。研究には、川島教授ら研究者と、市内の校長、教員らが参加。小中学校で心理学に基づくアンケートを実施したり、授業中の脳の働きを脳波計で測定したりすることを検討している。ほめられた時の脳の働きなども分析する。調査方法や規模などの詳細を詰め、4月から本格的に取りかかる。