視覚情報処理1: 基本構造
僕の専門のひとつだが、これを一言で述べるのは
非常にむずかしい。
事実1: 膨大な計算量
脳はその約半分を視覚情報処理に使っている、
即ち、1400億個の約半分、700億個の神経細胞の
計算を視覚知覚を得るために使用している。
事実2: 視覚伝道路
視覚情報は眼球(レンズ系、光学系)にて、収集される。
その情報は、網膜にて光電変換される。(Neural Transformation)
その電気信号(0か1か)は、中継核を経て、視覚皮質に渡る。
最近では、中継核そのもので、さまざまな情報処理が行われている
ことが明らかになってきた。(網膜−LGN情報処理)
これは、皮質にわたり、皮質でさらに深化された情報処理が
される。皮質処理は、いわゆる後頭葉にはじまり、
頭頂葉に行く経路、側頭葉に行く経路、そしてそれらが最終的
に前頭葉に行く経路がある。
事実3: 脳内情報処理
そして、もっと複雑なことに、ここまでを大雑把に
順経路とすると、逆に帰ってくる経路(フィードバック経路)
もある。統合されながら、逆に絞り込む経路もある、という
わけだ。これが、情報処理としての順処理、逆処理であるが、
実際の神経接続は、必ず準庶路と同時にフィードバック回路が
成立していて、実はどちらが順方向、逆方向という方向付けは
ありえない。
これはあくまで、計算論上のことだ。
(つづく)