拡張視覚と感覚拡張

感覚を拡張する。視覚は、人間にとって最も重要な
感覚で、脳の約80%が視覚に関与しているといえる。

視覚系は、人間の脳の後頭部、側頭部、そして頭頂部に
おいて、この順番に統合されるが、その過程で、
物体認識から、空間認識、そして時間を使ったオペレーション、
更に時間空間物体をつかった視覚的注意、そしてそれらを
一時的に保持した作業記憶(これは前頭部)が、作動する。

そして、恐らく作業記憶と感覚記憶の相互作用によって
感覚統合と記憶の長期化が海馬、海馬某回にて発生し、
それに情動が修飾する。

こうしたプロセスは、感覚から知覚の成立、そして
知覚をつかった感覚拡張のプロセス、とみなすことが
できる。というのは、感覚情報は、脳内に一時
的に保持されるときに、そのなかでの情報表現を持たなければ
ならず、これが視覚意識と呼ばれるものであるからだ。

ここには、長期記憶からのフィードバック、感覚情報の
フィードフォワード、そして、それらをダイナミックに使った
非線形(恐らくカオス)処理が行われているに違いない。

こうした脳内の感覚は、ただ見るだけの認識的感覚とは
レベルが一つ上の、2次的感覚、拡張感覚とよんでもよい
のかもしれない。