コンピュータによる知的処理の限界

今のところ、最もよくつかわれている検索アルゴリズムは、単なるパターンマッチングでも、
Boolean Modelでもなく、一種のRelational Database 検索アルゴリズム、すなわち言語そのもの
から、Space(空間)を作り、距離を定義して、関係を記述したグラフをつくる。
これを使って、3つ組(Tripple)を作り、そこから、機械学習により、モデルをつくる。
そこから、その言葉の固定化(Consolidation)を行う(90%の正確さが得られる)

これは、まるで、言語の生成を、コンピュータアルゴリズムでSimulateしているような
ものだ。 Pronoun(代名詞)の処理の成功まで来ているのは、驚くべきだ。
ここのポイントは、言語処理が、純粋にグラフ理論(とその属性)によって
記述でき、そのParametricな性質によって、かなりの正確さで記述できることだ。

Going beyond bag-of-words: dealing with a text as a graph of triples
http://videolectures.net/oh06_grobelnik_dtgt/


しかし、ここに限界が生じる。言語で表現できる物事は、すでに構造化、もしくは
抽象化された「概念」である。 

しかし、人間の知的活動は、言語活動に限らず、視覚イメージ、身体イメージや、
抽象イメージなどの非言語情報を使って行われていることも多い。


このアルゴリズムからは、こういった非言語的、もしくは無意識的知的活動を
シミュレートすることはできない。 これが、本質的なコンピュータによる
検索の限界であり、これこそが、コンピュータによる知的処理の限界である。