視覚系の役割

前に感覚系の役割、として、考察したことがある

http://d.hatena.ne.jp/yasutotanaka2000/20100616/p1


そして、6年前か、視覚系のレビュー論文を書いたことがあるが、 ここでは、

視覚系の役割、というものを考察してみたい。

まず、視覚は光を処理する。 ということは、光のもつ性質(波、波長=色)を

利用しているにちがいない。 もっとも、 人間が処理する電磁波は、その波長が

ほんの数百マイクロメータの範囲の内部であり、大変限局されている。

視覚は、そこからまず、 周期的パターンを抽出し、 空間を構成する。 

さらに、その時間的変化を処理する。 それによって、時間変化のある空間を

処理することができる。 さらに、そうしたいわゆるOptical Flowの中から、

周囲と異なる領域を切り出し、 それの集合によって、いわゆる物体(Object)を

切り出す。 

切り出す際に使われるのが、エッジといわれる微分係数が急激に変化する、疑似

非線形成分で、 それの2次元配置により、方向成分が生まれる。  

網膜そして脳の一部では、それらを担当する領域が決まっていて、別々の領域を

別々の細胞群が担当する。 これを受容野とよぶが、こういった並列処理が本質的である。


つまり、 視覚系は、その処理の第一段階として、 時間、空間の周波数解析、

領域ごとの場所・時間解析、 そして、 色などの波長解析を行っている。

また、 黒と白、 赤と緑、といった、 いわゆる反対特性を対にした、

コントラストの解析、を行っている。


(続く)