感覚系の役割: 心的内部世界の構成

感覚系は、情報を取り入れる、それが感覚系の脳に対する
役割だと、ずっと考えていたが、どうも感覚系がしている
仕事は、それだけではないらしい。

感覚系は、その情報を使って、外部の世界を構成する、
というのと、自分を含んだ心的内部世界を構成する、
というのが対になっている、これが、感覚系の本当の
しごとではないか。

その理由は、例えば感覚遮断をすると、外部を認識できなく
なってしまうのと同時に内部世界が構成されなくなって
しまい、自己認識を失ってしまうからだ。
内部世界(意識的なイメージの世界)は、外の世界を
処理するメカニズムと対になっているのかもしれない。

内的世界に関しては、直接その存在を証明の方法はない。
例えばMRIなどで、人間が自分でいろんな過去をイメージして
いる(例えば、過去の遠足を思い出している)とき、脳は
活動しているので、これこそが内的世界である、と主張
したとしよう。しかし、脳の活動は、睡眠中にもあり、
それが、本当に意識と対応するか、それには、いろいろな
困難とむづかしさがある。しかしながら、我々は、脳を使って
心をいろいろとうまくコントロールしている、それには、
どうしても内部世界の存在を仮定することが必要である。

ここでの主張は、それが外部世界の刺激とその処理の過程と
内的世界構成過程が、深く関与している、ということだ。
より具体的に、何が、どのように関与しているのか、相関しているのか、そこに直接の因果関係があるのか、これらを追究するが僕の仕事と言える。