サイエンスに必要な要素

サイエンスに必要な要素:

1. テーマ、研究題目、ある研究分野におけるテーマの設定
2  そのための現象、自然を観察する
3  その問題をサイエンスの枠組みで仮説として組み立てる能力
4. 今どこまでわかっているか、何がわかっていないかという感覚
5. 自分が何を作り出せるか、どこに自分のオリジナリティがあるか、それを
   どう使うか
6. テーマを解決する具体的手段
7. それを使った仮説を構築する
8. その仮説を支持するデータ
9. その仮説の元になるモデル。 計算モデル。 
10. 計算モデルを支持するデータ、パラメタ、データ構造 
11. それに対する反対仮説
12.反対仮説を支持するデータ、事実
13.支持仮説、反対仮説を評価する議論
14.それらを纏め上げて、研究全体を評価する能力
15.それらにもとづき、あたらしい切り口、新しい分野を構築する能力

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サイエンスには、それを行う前提を決める哲学が必要だ。 普段は、ずっとえらい教授などが行う。
たとえば、意識の問題を最初に提示したひとはえらかった。これは一種哲学である。

自分のオリジナリティ、得意なところがどこにあるか、不得意がどこかを見極めることは大切である。
得意なところを最大に伸ばす、これが基本だ。

実際にどのように、仮説を説明する仕組みを作り出すか、どのように数値化するか、
ここが問題の肝のひとつだ。

また、それを使ったらいったいどのように世界を描けるのか、というモデルもしくはメタモデル
事前に持っておくことはとても大切。

最後に、そのデータをどう解釈し、どう評価するか、という評価能力も大切である。これは、
モデル構築能力にも関係する。

第5回CBE研究会のお知らせ

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 ●日時: 2013年11月29日(金) 16時〜20時
 ●場所: 首都大学東京 秋葉原サテライトキャンパス
      http://www.tmu.ac.jp/university/campus_guide/access.html
 ●参加費:2000円(発表資料代1000円含;懇親会費は含まれません)


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●日時: 2013年11月29日(金) 16時〜20時
●開催場所: 首都大学東京 秋葉原サテライトキャンパス
東京都千代田区外神田 1-18-13 秋葉原ダイビル 12階

                                                                      • -

○テーマ: ゲーミフィケーション

○プログラム

  16:00-16:05 委員長挨拶
  16:05-17:05 招待講演(オンライン)
  ○Lithium社 Michael Wu氏
  「Gamification - Engineering Human Behaviors」

  17:05-17:10 休憩

  17:10-18:10 口頭発表
  ○菊地佑介(関西学院大),津川翔(筑波大),岸野文郎(関西学院大),
  中島康祐(阪大),伊藤雄一(阪大),大崎博之(関西学院大)
  「ココロスコア:Twitter解析によるココロの状態推測」

  新熊亮一(京大),○矢守恭子(朝日大)
  「通信制御においてインセンティブができること/できないこと」

  18:10-18:15 休憩

  18:15-19:15 口頭発表
  小林哲郎(国立情報学研究所),○一藤裕(情報・システム研究機構),
  曽根原登(国立情報学研究所)
  「ライフログ提供における心理的抵抗とインセンティブの構造

  ○井上明人(GLOCOM)
  「ゲーミフィケーション 「研究」のための論点」

  19:15-19:20 休憩

  19:20-20:00 ラウンドテーブルディスカッション

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参加は以下の欄をコピーして 幹事の新井田さん 
niidaアットマークkddilabs.jp
まで、ご送付ください

                                                                      • -

第5回CBE研究会への参加を希望します。
ご氏名: (漢字と読み仮名をお願いします)
ご所属:  
ご連絡先:(メールアドレス)
懇親会への参加: 参加/不参加 (どちらかを残して下さい)

                                                                      • -

視覚系の役割

前に感覚系の役割、として、考察したことがある

http://d.hatena.ne.jp/yasutotanaka2000/20100616/p1


そして、6年前か、視覚系のレビュー論文を書いたことがあるが、 ここでは、

視覚系の役割、というものを考察してみたい。

まず、視覚は光を処理する。 ということは、光のもつ性質(波、波長=色)を

利用しているにちがいない。 もっとも、 人間が処理する電磁波は、その波長が

ほんの数百マイクロメータの範囲の内部であり、大変限局されている。

視覚は、そこからまず、 周期的パターンを抽出し、 空間を構成する。 

さらに、その時間的変化を処理する。 それによって、時間変化のある空間を

処理することができる。 さらに、そうしたいわゆるOptical Flowの中から、

周囲と異なる領域を切り出し、 それの集合によって、いわゆる物体(Object)を

切り出す。 

切り出す際に使われるのが、エッジといわれる微分係数が急激に変化する、疑似

非線形成分で、 それの2次元配置により、方向成分が生まれる。  

網膜そして脳の一部では、それらを担当する領域が決まっていて、別々の領域を

別々の細胞群が担当する。 これを受容野とよぶが、こういった並列処理が本質的である。


つまり、 視覚系は、その処理の第一段階として、 時間、空間の周波数解析、

領域ごとの場所・時間解析、 そして、 色などの波長解析を行っている。

また、 黒と白、 赤と緑、といった、 いわゆる反対特性を対にした、

コントラストの解析、を行っている。


(続く)

量子力学・場の理論の簡単な説明

1900〜1950年までの、理論物理学、とりわけ量子力学場の理論を概観してみた。


量子論の骨格は以下の2点である。


1. 電子は粒子的(個数で数えられる)である。 

プランクが示唆し、アインシュタインが理論化した、光電効果

2. 電子、光子は波である (波長をもつ)

マクスウェルの理論より。 光は電磁波である (19世紀物理学最大の成果) 



この二つを両立させるため、プランク定数を使って電子を数え上げる

とともに、電子を波として説明する(ド・ブロイ波)式が必要である。

それが、波動方程式と言われる式であり、エルヴィン・シュレディンガー

古典論を応用、量子に適用して開発した。

波には伝播するイメージがある通り、シュレディンガー方程式は、

量子の「状態」 (場を含む全体のふるまい) そのものが時間推移をする

という描像だが、


一方、その「状態」をベクトル表示し、固有方程式として、ベクトル行列式表示

したとき、固有値が状態と見なせて、シュレディンガー方程式は、時間推移のない

行列式になる。 これによって、状態遷移を行列の一次式に変換できる。

これが、ハイゼベルグのやり方だ。

ハイゼンベルグは、これを使い、行列計算の順序を変えた場合、

例えば波を表す行列A,Bを仮定した場合、A・BとB・Aが等しくない、

すなわちA・B−B・A≠0でない場合を示した。 この場合、

A・B−B・A=n・プランク定数 とすれば、波と粒子の個数が方程式でつながる。

更に、ここから、波を個数として数える場合、波の大きさ(幅、波長)に

プランク定数が何個はいるか、という不確定性が発生する (不確定性原理)。

ハイゼンベルグのやりかたは、行列計算A・B−B・A=[A,B] (ポアソン括弧)

をつかえば、状態(の時間変化)を、運動エネルギーの一般表現

[ハミルトンが 開発した一般運動量(ラグランジェアン)を使った表現なので

ハミルトニアン演算子)と 呼ばれる] と分離して表現できる。

つまり、電子を含む場全体の状態を、 ニュートンが行ったような運動方程式

として表現できる。 これは、シュレディンガーの波の推移の方程式にくらべ、

より一般的な、状態(粒子=波をふくむ場)の表現である。 


注意するべきは、この量子(電子)の運動方程式は、波でかつ数え上げられる状態

(粒子)の両方の表現には、波が連続体であり、量子が非連続であるため、

そこに不確定性が生じる。 非連続な数で数えている限り、無限小の間隔に無限大の

個数が入る、ということだ。 これを扱うために、超関数の考え方が必要になり、

実際の計算は確率的にならざるを得ない。これに納得できないアインシュタインは、

量子論を認められなかったし、これを理解できないシュレディンガーは、ネコという

矛盾を生みだした。 そして、彼らの懸念は、その後の量子場の理論の議論に

大いに関係するのである。 


==(では、相対論はどうか?)

ここで、ひとつ考慮しなければならないことがあるのに、気がついたのが

我らが天才ディラックである。 すなわち、電磁波は光を含むため、光を説明することも

必要である。ゆえに、光から、電磁波を説明した、特殊相対論が今までの議論に当てはまる

ローレンツ条件を満たす)ことが必要十分である。すなわち、ハイゼンベルグの方程式に、

ローレンツ変換を適用できなければならない。 アインシュタインが1910年までに

確立した、特殊相対論では、空間と時間は、光に対して相対的であり、それは

ローレンツ変換によって、ローレンツ共件を満たすことによって保障されることが

既に、1920年代には、常識であった。

よって、ハイゼンベルグまたはシュレディンガー波動方程式ローレンツ不変に

しなければならない。この要請から、ディラックの方程式が導き出された。 

電子が、核子の周囲を旋回運動するため、電子の運動はスピン運動量保存満たし、これ

を説明する条件を満たさなければならなかった。

それを、上記の論理により、ゴードン・クラインの方程式を利用して、

場として説明しようと試みた(解いた方程式を 現実に照らし合わせて解釈した)

。方程式を解き終わったとき、ディラック自身も驚いたことに、

、電子が生まれる項と、電子が消滅する項が、同時に現れてきた。

最初、ディラックは解釈に苦しみ、 電子が発生し消滅する、海のようなものを

仮定したが、それは、陽電子の発見により、修正された。
 
上記の光電効果の発見から、ゆえに、電子が生まれることと、電子が消滅すること、

そのイベントに光が関与するプロセスが必要となる。

これが、量子場の理論であり、電子の発生、消滅、光、そしてそれが起こる

場のすべての要素を一気に説明しなければならない。

その過程には、不確定性原理が適用されなければならず、

そこに無限大が発生する。

これを消滅させるため、繰りこみ理論が必要となり、

そのために、繰りこみを説明に入れた、量子場の理論体系が必要となる。

これが、量子論の基本的骨格である。 これは、朝永、シュウィンガーによって

行列式的(ハイゼンベルグ的)に定式化され、また独立に運動量変化(ラグランジ

方程式)を使った量子経路を仮定し、それを積分する、

その方式をグラフ化することによって、ファインマンによって実現された。

==

これが、量子場の理論の骨格である。

もちろん、ここには、中性子・陽子のベータ崩壊理論、弱い力の理論、

核子を説明する強い力の理論 (湯川理論)、のはなしは含まれていない。

これらは、1950年以降、この量子電磁気学をベースにして説明されることになる。

中間子、陽子、中性子、それらの研究から、新しい粒子、素粒子が数多く生まれることになる。

経路積分とダイアグラムの違い

ファインマンは、

グラフ
ダイアグラム
経路積分
経路積分のグラフへの結びつけ
経路積分のダイアグラムへの結びつけ

という思考を経たに違いない

http://members3.jcom.home.ne.jp/nososnd/ryosi/path.pdf

相互作用や多体問題は、最初は考えなかったに違いない

自由電子の振る舞い、
自由電子と光子の振る舞い、
自由電子陽電子との衝突、

ここから考え始めたのであろう

ひたすらやっていくと、S行列を定義でき、それを使って中間状態を
表現し、更にそれから、複雑状態を再現する、と

これは、ダイソンがやったのだろうか?

朝永さんは、正準量子化、 ファインマンラグランジュアン量子化
シュウィンガーは汎関数微分をつかった、ということだ。 
詳細はまたそのうち。。

ファインマンが、自分の物理学に自信が最後まで持てなかった理由

http://repo.lib.ryukoku.ac.jp/jspui/bitstream/10519/903/1/r-rn_473_005.pdf

結局、古典論で、量子場が解けてしまった。 なにも、特別ではないではないか。

というのが、ファインマンの量子場理論構築後の感想であったであろう。

また、無限大は、計算様式を変えて 組み込んで(引き算してしまえ)という、

基本の考え方からすると、 トリッキーだと思えたに違いない。 

これについては、さらなる考察が必要だ。

無限自体が、エネルギーを持つ、という新しい理論を別に考えることも

可能であるからだ。

しかし、ファインマンの計算テクニックに関しては、彼の洞察力に感心する。

例えば、相互作用に関しては、ハ見ると二案では、積分核があらわでないため

グランジェ案ほど、明確でない、という欠点を見抜いていたのはさすがだ


更に、不確定性(量子性)に深入りせず、粒子の特徴を衝突と放射という

これまた古典的観点、そして、時空という相対論的なまたまた古典的観点

から捉えて、それを量子論に一般化した、という、ある意味、困難なところを

後回しにするやり方により、場を最終的に量子的に構成することに成功した。

これぞ、計算テクニックの勝利、哲学などなにも考えず、とにかくがむしゃらに

やる、アメリカ人の特性がもっとも生かされた物理学であった。


==

いかにも残念なのが、こうしたファインマン的やりかたによって、確かに

QEDは説明できたが、電弱理論や核子の理論になると、やはり、いろいろな

点で無理があり、もうすでに彼のやり方が、そのまま通用しなくなった、

という点であろう。 もちろん、ファインマン図、ダイアグラムそのものは、

β崩壊や、グルーオン などの素粒子物理学にも、形を変えて適用可能な

一般的なものであったのだが。。。


====

このファインマン的やり方を、時間に関して量子化してみると、結構おもしろい。

時間を本当に量子化した場合、無限次元を扱うため、そもそも経路積分

なりたつのだろうか? 

時間の無限分割によって、無限大の成分が出てきて、それが発散する、

なんてことはないのか? その場合、やはり繰りこみの理論を使うことに

なるのだろうが、いままでのように、きちんと繰りこみが可能になるのだろうか?

この問題は、とある、動機により、そのうち、真剣に考えなければならなく

なるときがくるであろう。



http://members3.jcom.home.ne.jp/nososnd/ryosi/path.pdf


Note1:

量子化の手法は、ファインマンがやったようなラグランジェ案(ディラック方式)、 ハ見るトニアン方式、 シュレディンガー方式
(2つの折衷案)、 ハイゼルベルクの行列方式(朝永方式)と、
どれでやっても、最終的には、正準変換と不確定性原理による
洗礼をうけなれればならないので、結論は同じになります。 

なお、経路積分は、数学的には、未だに本当に無限大まで拡張できるか、
という保証はないそうです。いかに、ファインマンがえいや、でやって
しまったか、わかりますね。 彼には、それが見えていたと思います。

量子論と量子場の理論の違い

場というものを仮定した、第二量子化が、違いの第一。
それによって、電子の発生機構をモデル化したディラックは、電子の反対の性質を持つ
反電子(陽電子)をそのモデルから、仮定せざるを得なかった。 そして、それは
現実に見つかったのである。

しかし、場を仮定した場合、どうしても無限の問題はつきまとう。
エネルギーは距離の二乗に反比例して減衰するので、距離がゼロになれば、
無限大のエネルギーが出てくるからだ。

さて、この無限大をどのように、計算したものか。
無限大と無限大を、足し算したり、引き算したりできるものであろうか。

どういった条件で、この無限大が出てきて、それをどう始末をつけるか。
そのためには、場のエネルギーと、振る舞いそのものを、計算する原理が
必要である。

こういった問題がはっせいしてから、一応の解決をみるまで、約20年を要した。
今では、根気よく計算すれば、これらを解決できる。